東禅寺

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 金剛山東禅寺は曹洞宗に属し、本尊は薬師如来である。当山の創建は不詳であるが、明治十九年まで市内宗胤寺に伝わっていた梵鐘銘写しによれば、後醍醐天皇の嘉暦二年(一三二七)千葉貞胤が円中規公師を迎えて建立したと伝えている。この梵鐘は創建四年後の元徳三年(一三三一)に鋳造され、天正のころ(一五八〇前後)生実柏崎の溝の中から発見され、宗胤寺に納められ、安政二年(一八五五)国防のため供出されたものである。当寺はしばしば火災にかかり、現在の本堂は明治二十五年四月の被災後、十数年間の托鉢及び信者の寄進の結果完成したものである。

 本尊の薬師如来は眼病に御利益があり、毎月十一日の縁日には夜店が並び参拝でにぎわったが、それも明治末年ころまでといわれる。