大気汚染

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 本市の大気汚染は、臨海地域の大企業の生産活動に伴って発生するばい煙等が主体であり、自動車排出ガスも大きな要因となってきた。

6―69図 二酸化鉛法によるいおう酸化物の地域別年次別変化(継続地点)

 市内の各測定地点での結果は六―一三三表のとおりであるが、高い汚染濃度を示すのは、今井町、宮崎町、末広町、蘇我町、葛城町などである。この高濃度汚染地区は川崎製鉄と東京火力発電の周辺である。いおう酸化物の排出量は液体燃料の使用量の増加に比例して、年々増加している。このほか製鉄工場の原鉱石から排出されるいおう酸化物も多く、いおう酸化物の排出量の全体のうち約一五―一六パーセントを占める。川崎製鉄の周辺には、測定点が千葉市役所、衛生研究所、末広中学校、松ケ丘中学校、蘇我中学校、千葉臨海ドライブインなどにある。このうち末広中学校と蘇我中学校の測定地点が環境基準に不適合である。『千葉県公害白書、昭和四十七年版』によれば、両測定点とも昭和四十五年七月から測定を開始した。末広中学校は四十五年六カ月間のデータで環境基準三項目(〇・二PPM以上が二・七パーセント、緊急時の日数が年間日数に対して六・〇パーセント、緊急時の状態が三日継続)が不適合であった。四十六年には一項目(緊急時の状態が三日継続)が二年も連続して不適合であった。蘇我中学校の測定地点では、四十五年には適合していたが、四十六年になって二項目(〇・二PPM以上が一・三パーセント、緊急時の日数が年間日数に対して三・七パーセント)について不適合となっている。

6―133表 昭和46,47年におけるいおう酸化物濃度の環境基準との比較
地点番号測定地点測定年0.1ppm以下の時間数の割合
0.2ppm以下の時間数の割合
日平均値が0.05ppm以下の日数の割合年平均値緊急時の発生頻度良くなった地点
88%以上99%以上70%以下0.05ppm以下年間の日数に対して
3%以内
連続して3日以上続かない回数
1千葉市役所4698.699.897.30.0210.3ナシ
4799.9100.0100.00.0150ナシ
2千草台小学校4698.699.993.80.0220.3ナシ
4799.799.998.60.0160ナシ
3衛生研究所4699.399.994.00.0260ナシ
4796.599.786.80.0280.6ナシ
4末広中学校4695.499.290.60.0222.51
4798.199.992.30.0180.3ナシ
5寒川小学校4793.799.683.50.0301.21
6福正寺4791.098.679.60.0344.42
7蘇我中学校4694.898.786.90.0243.7ナシ
4799.099.999.10.0150ナシ
8松ケ丘中学校4698.399.996.60.0200ナシ
4799.9100.0100.00.0120ナシ
9明徳学園4697.999.995.90.0160.9ナシ
4799.4100.099.10.0120ナシ
10臨海ドライブイン4697.699.896.00.0210.5ナシ
4798.899.998.00.0180.3ナシ
11聾学校4799.299.998.40.0130ナシ
12大宮小学校4696.899.488.00.0232.7ナシ
4798.499.897.20.0190.6ナシ
13千城台北小学校4799.6100.098.80.0120ナシ
14桜木小学校4698.799.994.80.0190ナシ
4796.599.787.80.0271.61
15山王小学校4798.8100.093.60.0180ナシ
16花見川第一小学校4799.9100.099.40.0160ナシ
17市立高校4699.599.998.90.0210ナシ
4799.9100.098.60.0210ナシ
18検見川小学校4699.099.994.20.0240ナシ
4799.7100.098.60.0150ナシ
□(太枠)不適合を示す。

(公害規制課調べ)

 降下ばいじんは年平均して、末広中学校測定点は一六・一八トン(t/km2/月)となり、県下でも最高であり、中心商店街の千葉銀行の測定点でも一三・二八トンである。最高の月は、末広中学校の測定地点に四〇・三六トンもばいじんが降下する。降下ばいじんがもっとも多い所は川崎製鉄の周辺であり、この地区は川崎市とほぼ同じである。

6―70図 二酸化鉛法によるいおう酸化物濃度分布(昭和46年平均)
6―71図 降下ばいじん量年次別推移(昭和46年)