地盤沈下

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 本市では、東寺山地区と生実地区を中心とする沈下の目が急速に増大して、昭和四十五年度に一〇・二センチメートルであった生実地区が翌年には、二一・二センチメートルと前年の二倍以上の沈下量となり、四十六年度の県内では最大沈下量を記録した(六―一三四表参照)。また中心商店街をふくむ市街全体が五~一五センチメートルの沈下範囲にふくまれている。千葉市の地盤沈下は昭和四十五年度を境にしてはげしく沈下しはじめて、ますます沈下が進行していく傾向がある。この地盤沈下の原因は工場の地下水吸み上げによる。地盤沈下による被害は多い。建物、ガス管、水道管などの損壊や低地化による浸水被害が発生する。とくに低地化の被害は、台風の高潮が内陸に侵入、豪雨時に内水が排水不良となって氾濫の発生、橋の沈下、防潮堤の沈下、農業用水路の不等沈下、排水不良による作物の被害、河川の停滞による水質汚濁や海水の遡上などが発生する。

6―72図 千葉・市原区における地盤変動 (昭46.2.1~47.2.1)
6―134表 地盤沈下量経年変化
(単位 mm)
番号町名目標38年39年40年41年42年43年44年45年46年47年
014028幕張-12.0-26.0-25.4-21.7-44.1-129.2
3835寒川町3丁目道路-18.6-14.4-43.5-15.8-22.9-31.0-50.2-31.0-70.7-101.9-400.0
3836蘇我町1丁目丸山宅-19.6-7.6-40.9-12.0-22.1-23.1-31.8-34.1-80.3-110.6-382.1
10687生実町北生実上宿大覚寺-212.4-212.4
46川崎町川鉄(株)-21.0-12.4-44.5-7.4-23.7-35.8-28.6-34.8-78.9-98.2-385.3
58富士見町千葉駅前-23.2-22.0-49.1-32.5-30.2-44.8-60.1-49.9-74.8-118.4-505.0
60轟町5丁目陸運事務所-4.0-19.7-43.7-26.4-22.0-22.9-48.2-77.7-106.5-144.1-515.5
C―2都町諏訪神社-17.6-38.0-22.5-17.9-29.7-36.9-41.3-69.1-101.9-374.9
C―41源町薬王寺-110.9-143.8-254.7
C―42東寺山失対事業所-153.9-176.2-330.1
C―43高品町等覚寺-123.0-154.9-277.9
68稲毛5丁目国道-4.8-20.5-32.3-19.0-15.7-15.6-78.6-186.5

(『千葉市の公害対策』)

 このほか、水質汚濁・騒音・振動・悪臭など、さまざまな公害が住民の生活に影響を与えている現状である(六―一三五表参照)。

6―135表 公害苦情年度別発生状況
年度受理件数大気汚染水質汚濁騒音振動悪臭地盤沈下その他
39721227
40852119
4137149101043
4258141530112274
4357109221161472
446512634616478
458817847101928111
46778831526886
47541827718667
451836620430120242547
注 ①47年度については8月末までの受理件数である。
②受理件数より種別件数が多いのは重複した苦情を種類別に1件として受理した為である。

(『千葉市の公害対策』)

 これらの公害現象は、物的面、精神的面にかなりの影響を与えているので、自然環境保護の必要性が強く叫ばれるようになってきた。