警察の制度・機構の変遷

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 戦後、日本の警察制度の改革は、昭和二十一年三月に、アメリカ合衆国ヴァレンタイン都市警察改革企画団の来日を契機としてすすめられた。その後、幾多の迂余曲折を経て、警察の制度及び機構等の民主化を目的とする新警察法は、昭和二十二年十二月十七日公布されるに至った。

 新警察法は、従来の中央集権的な警察機構に代えて、新たに国家地方警察と自治体警察とを創設し、その管理運営については、市町村並びに都道府県公安委員会に権限をもたせ、警察力の分権化を図った。

 政府は、新警察法を施行するにあたり、今までにみられない制度のことから、まず試験期間をおくことにし、その対象地域として千葉県を指定した。県はこれを受け、昭和二十二年十一月二十七日、全国にさきがけて二九署の国家地方警察と六二署の自治体警察とを設置した。千葉市には、市部を管轄する千葉市警察署(自治体警察)と、郡部を管轄する千葉地区警察署(国家地方警察)とがおかれ、同一庁舎にて警察事務をとった。

 千葉警察署は、県下最大の規模をもち、定員一〇八名の警察吏員(後に警察官と改称)により、面積八、七七五平方キロメートル、人口一二万余名からなる千葉市域の治安に当たった。昭和二十三年三月七日、新警察法の施行により、同日、千葉市長、市議会議長、公安委員その他多数の列席のもとに辞令交付式を挙行し、千葉市警察署として正式に発足した。同年三月二十日、定員改正によって警察官は増員され、一六八名となり、雇員、傭員などを含め総員一九六名で、機構も一段と整備された(六―七五図参照)。

6―75図 千葉市警察署(自治体警察)の機構並びに定員
定員警視警部警部補巡査部長巡査技師技手
事務官
書記
書記補
傭人
千葉市署1181913911242196
千葉地区警察署113820017243