全国的にみて心身障害児は漸増の傾向にあるが、千葉市でも流入人口の増大にともない、先天性・後天性障害児の増加が目だってきている。四十六年四月現在、千葉市において登録されている身体障害児の数は、三三八名、精神薄弱児の数は、二二〇名で、この中には、重度の身体障害と精神薄弱を合わせもっている重症心身障害児も含まれている。
心身障害児福祉施設として、障害別に応じ、葛城育成園・大宮学園・桜木園が設置されている。葛城育成園は、肢体不自由児母子通園訓練施設として、学齢前の児童を保護者とともに通園させ、専門的な立場による機能回復訓練及び医療を行い社会復帰を図ろうとする。昭和四十一年三月、予算約千五百万円をもって建造、四〇名収容できる。ここには、整形外科医・小児科医・訓練士などの専門職員が配置されているほか、大型専用バス(バンビ号)により一日二回、市内を循環運行している。
大宮学園は、一八歳未満の重度の精神薄弱児を対象とし、将来日常生活の自立はもとより、社会人としても自活できるよう適切な訓練と指導を行う通園施設である。昭和四十三年六月、予算約二千万円をかけて建設し、四〇名収容できる。ここには、指導員・保母・栄養士などがいるほか、大型専用バス(ひかり号)により市内を循環運行している。
桜木園は、重度の精神薄弱と重度の肢体不自由が重複している児童に対し、医療・保護・機能訓練などの手段により、人間形成を助成するとともに、家庭の福祉向上を図ろうとするものである。昭和四十六年八月予算一億三千万円余をかけて建設し、四〇名収容できる。なお、施設を合理的、弾力的に運営するため、社会福祉法人「千葉市社会福祉事業団」に管理運営を委託している。
以上のほかに、心身障害者に対する福祉事業として、障害等級一―二級の二〇歳未満身体障害者及び知能指数五〇以下の二〇歳未満精神薄弱者に対し、それぞれ月額二千円の福祉手当を支給するほか、重度障害者家庭に奉仕員を派遣して障害者の世話をしたり、また、専門的な知識をもった訪問指導員を派遣し、援助・相談・助言をしたりしている。なお、機能訓練器具の無償給与も行い便宜を図っている。
一般の心身障害者に対しては、合宿をとおした機能訓練・巡回相談・家庭奉仕・点字市政だよりの発行など、いくつかの事業を行っている。