生活保護率は、昭和三十年度の一九パーセントをピークにして漸次下降し、京葉臨海工業地域の造成の進行及び市勢の発展にともない、昭和四十六年度においては、六・七パーセント、世帯数にして一、五二〇、実人員三、四三三名を数えている。しかし、工業化により流入労働者などが増大するにつれて、傷病・産業や交通上の災害・犯罪・家族遺棄などを原因とした生活困窮者が、最近大幅にみられるようになった。
保護世帯を類型的にみると、傷病者世帯五八パーセント、老人世帯一七パーセント、母子世帯一三パーセント、ほかに、多子世帯、障害者、その他となっている。保護費の総額は、年間七億円余で、医療や生活・住宅・教育扶助などにまわされている。
施設面では、千葉市母子寮が昭和二十六年八月開設されており、収容能力は二五世帯で、四十六年度では母二〇名、子三六名が同居している。また、低金利で市民に貸付する千葉市公益質屋は、昭和二十九年九月開設され、四十六年度では、貸付人員九〇九名、二、二八〇点、貸付金額八三四万三千円、弁済人員八八七名、二、三七二点、元金約八二四万五千円、利子九七万二千円となっている。なお、内職の相談あっ旋、作業指導、及び身体障害者の生活指導を行っている内職補導センターは、昭和四十三年五月開設されたもので、内部には、相談室、身体障害者作業室、ミシン縫製室、簡易作業室などがある。
以上述べたことがらを含め、市内にある福祉施設をまとめると、六―一五三表のとおりである。
種別 | 名称 | 所在地 | 設置主体 | 定員 |
救護施設 | 松風園 | 辺田町604 | 千葉県 | 50 |
〃 | 啓明園 | 小中台町830 | 福法 | 50 |
養護老人ホーム | みやこ園 | 都町1302 | 千葉市 | 50 |
〃 | 清和園 | 天台町127 | 福法 | 90 |
有料老人ホーム | 千葉厚生年金老人ホーム | 仁戸名町705 | 国 | 42 |
老人福祉センター | 社会センター老人館 | 院内1―15―3 | 千葉市 | |
老人いこいの家 | 北谷津園 | 北谷津町333 | 〃 | |
肢体不自由者更生施設 | 千葉県身体障害者更生指導所 | 加曽利町1536 | 千葉県 | 50 |
補装具製作施設 | 日赤千葉県支部 義肢製作所 | 千葉港4―1 | 日赤 | |
点字図書館 | 千葉県点字図書館 | 小中台町830 | 福法 | |
点字出版施設 | 千葉県点字出版所 | 〃 | 〃 | |
無料低額診療施設 | 千葉県厚生診療所産院 | 港町30―1 | 〃 | 13 |
一時保護所 | 中央児童相談所付設―時保護所 | 天台1―4―1 | 千葉県 | 15 |
〃 | 婦人相談所 〃 | 末広3―14―18 | 〃 | 20 |
乳児院 | 千葉乳児院 | 天台1―10―3 | 〃 | 20 |
教護院 | 生実学校 | 生実町1001 | 〃 | 80 |
養護施設 | 房総双葉学園 | 天台3―4―1 | 財法 | 30 |
精薄児通園施設 | 大宮学園 | 大宮町3816―1 | 千葉市 | 40 |
盲児施設 | 愛光学園 | 小中台町830 | 福法 | 64 |
肢体不自由児施設 | 桜ケ丘育成園 | 加曽利町1536 | 千葉県 | 100 |
肢体不自由母子通園訓練施設 | 葛城育成園 | 矢作町827 | 千葉市 | 40 |
重症心身障害児施設 | 千葉市桜木園 | 桜木町138 | 〃 | 40 |
母子寮 | 千葉市母子寮 | 末広4―1―5 | 〃 | 25 |
〃 | 旭ケ丘 | 都賀1―1―2 | 福法 | 20 |
(『福祉事業概況』昭和47年)