3 その他の山岳信仰

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 三山講や富士講のほかに、山岳信仰に属するものとして、院内を中心とした旧千葉町・浜野・村田町あたりに多かったのが、木曾御岳登拝である。また、地域によっては埼玉県秩父の三峯山、群馬県の古峯ケ原への登拝や、遠く奈良県の高野山から長谷寺をまわるような信仰もあったが、今ではほとんど実施されていないようである。また西日本に多い和歌山県の熊野参詣は、千葉市内に熊野神社と呼ばれる神社が、椎名に四社のほか、検見川・土気などに現存しているが、霊山登拝としての熊野信仰の記録はほとんどみられない。したがって、熊野信仰より出羽三山信仰の講中組織が圧倒的に多いことは、比較的距離が近いことや、後に述べる坂東三十三番講の延長としての三山参りが、同一時期に実施されることが多いことなどが原因になっていたと考えられる。