7 千葉寺の十善講

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 坂東三十三カ所参り第二十九番札所として知られる千葉寺を中心に、千葉市から印幡郡西部の地域の真言宗の寺院八十八カ所をめぐる十善講がある。十善講は俗に大師講ともよばれ、四国八十八カ所めぐりから、弘法大師の写しを近在の寺院におまつりして参詣するものである。かつてほど盛大ではないが、現在でも市内の農村部の老男女が、四月に入ると巡礼姿に身をかため、長期のグループでは一カ月近くの日数をかけて実施している。

 旧千葉町の寺院の中では、宝幢院、大日寺、来迎寺などがその対象であり、かなり多くの人々によって継承されてきた身近な民間信仰の一つであるといえよう。