古い歴史をもつ旧千葉町や農村部には、まだ多種多様の講中組織があるが、近年では構成員の変化や交通の発達、あるいは近代的娯楽の登場などによって、神仏尊崇の念も薄らぎ、自然に消滅したり、まったくその形を変えてしまったものもある。それらの中から、主な講組織について記録にとどめておきたい。
○太子講 職工の講社であり、聖徳太子を信仰する。
○天神講 菅原道真公を信仰するもので陰暦の正月二十五日に行う。
○成田講 不動講ともいわれている。成田山不動講であるが、その地域の不動様を単に信仰するようなこともある。
○善光寺講 長野県の善光寺へ参詣した同行者の組織であり、毎月輪番に講成員宅に相会し、念仏を唱え、冥福を祈るなど、同行者の関係を深くする。
○古峯山講 群馬県の古峯神社(火伏の神)を崇拝するものの講社であり、毎月十五日に相会し、貯金をして代参者の費用としている。
○庚申講 石仏の中に、よく庚申様といわれるものが、歴史の古い農村部の路傍に建てられている。この石仏は、上に仏像があり、下に「見ざる 聞かざる 言わざる」の三猿の図があり、仏教的精神修養の方便として信仰が生まれ、身近な土地にある庚申様を信仰する講組織になったものといわれている。
○地蔵講 土地の地蔵尊をまつり、地蔵菩薩を信仰する者の講組織である。