いぼとりの古俗

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 市場町の文化の森の下、中央図書館の北隣りに、胤重寺(いんじゅうじ)という寺があり。境内には、県指定史跡の〝戸塚揚心流柔術の祖〟戸塚彦介、英美父子の墓があるが、その門前左側に、俗に〝塩地蔵〟とよばれる「いぼとり地蔵」がある。いぼに悩む人からは、今でも信仰されており、供えてある塩でいぼをなぜると、いぼがとれるといわれ、そっと塗って願が叶うとお礼に塩を供えるという。

 祠の右傍に安置されている旧地蔵は塩による風化がはなはだしく、かろうじて輪郭を残すのみである。

 現在、祠内の地蔵尊も目鼻の識別すら定かでないところを見ると古くからの長い伝承をもっていたのであろう。

いぼとり地蔵