第一項 概観

473 / 546ページ

 年中行事は、地域すなわち部落や村を単位として、農業を中心とする生産暦を基準とし、かなり定期的に行われるが、冠婚葬祭は、各家々を単位として、人の一生の折節に執り行われる行事である。ただ冠婚葬祭の場合も村落共同体や隣り組の助力を必要とするのはもちろんである。

 ここでは、人生において、重要な意味を持つ結婚をはじめとし、子供の誕生、子供の成長、人の死に至るまでの主な風習を述べる。