1 仕事唄

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   草刈唄(くさかりうた)

○ やめろ やめろ 小やろのくせに  腰にたばこ入れよまだ早い

○ 門へ出ろ出ろ  家(うち)では出さぬ かごの鳥

    篭(かご)をこわしても  あら あいにゆく

                         (以上 園生地区)

   田植歌

○ 赤いたすきを あやにかけ  後姿(うしろすがた)の ほどのよさ

○ 大きな田なかで 歌のこえ  聞けば 昔の妻の声

○ きょうは さなぶり 内祝(うちいわい) 家(うち)じゃ竹の子 ごまよごし

○ よいな十七 どこへ寝る  東桐間(ひがしきりま)の 中へねる

○ むこうな小(こ)土手で 百合(ゆり)の花  よくも咲いたよ ひらひらと

○ むこうの小土手で 雉(きじ)が鳴く  きじは空とぶ 羽根ばたき

○ よいな さなぶり 内祝  家じゃ 鯉(こい)ふな鯛(たい)ひらめ

○ 今年はじめて 田を植えたら  たけが一丈(いちじょう)で 穂(ほ)が五尺

  (はやしことば)

 うえてしゃれ うえてしゃれ

                 (以上 坂月、太田地区・高梨勝巳 談)

○ おきの暗いのに田を植える 腰が痛いよ

    田越(たご)しに 誰がうつやら 四つの鐘

○ 赤いたすきを先にたて うしろ姿のほどのよさ

○ むこうの小山で きじがなく  きじは空(そら)なき めすをよぶ

○ 又もさえたよ 小土手(こどて)の中へ ゆりの花

         (以上 江戸末期にうたわれた。園生地区・吉田公平 談)

○ おきの田なかで歌の声  聞けば 昔の妻の声

○ むこうの小土手(こどて)で 百合(ゆり)の花  よくも咲いたよ ひらひらと

       (明治から昭和初期にうたわれた。園生地区・吉田公平 談)

     くるりおし歌

 おせおせおせないか この麦は

 まだおせぬ

 旦那(だんな)の欲目か まだおせぬ

 まだおせぬ

 小石も粉になれ この麦は

 まだおせぬ

 にしら 知らなえな おらん鳥はちゃぼだ

 ちゃぼが三度啼(な)きゃ夜があける

 まだおせぬ

                 (園生地区、長者山・能瀬ます 談)

 おせたおせたか この麦は

 白(しら)げにゃ まだ早い

 はだか人形よ 吾(あ)が子のように

 きもの着せたり ぬがせたり

                   (検見川地区、台・高橋とみ 談)

   麦搗(ひき)歌

 あー 向かい小山の百合(ゆり)の花

 よくも咲いた あー

 ゆらゆらと せっせっせ

 すいた花だよ ありゃ気が高い

 野良の私の手じゃ折れぬ

 せっせっせ

 つんつらつけたよ 此の麦は

 ついてもつけない麦は

 仙台さんにたのむよ

 おらが庭でついた麦

 からが大神楽(かくら)で舞い上(まいあ)がる

 せっせっせ

                             (犢橋地区)

   馬子唄

 笠を忘れた つるがの茶屋へ

 雨のふるたび 思い出す

                      (犢橋地区、御成街道沿)