第十三代 千葉氏胤卿

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氏胤は貞胤の第二子なり、和歌を能くす、其の歌載せて新千載集にあり。父卒するに及ひて家を繼き下總介となる。正平六年足利尊氏に從ひて其の弟直義と薩陲山に戰ひ、翌年尊氏と共に新田義宗と武藏の笛吹嶺に戰つて之を破る。仝十八年九月京師に病み、將に東歸せんとして美濃にて卒す、年三十一、法號を淨山善阿彌陀佛と稱す、三子あり滿胤・氏滿・酉譽と云ふ。酉譽は僧となりて淨土の奧旨を究め芝増上寺の開祖となる。