はじめに

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 当館は関東の名族であった千葉氏の城跡に建設された歴史系博物館で、展示や調査研究の中心は千葉氏の関係資料である。

 千葉氏の特徴の一つに妙見信仰があるが、平氏の一支族である千葉氏が何故星の神である妙見を信仰するようになったかを調査することは千葉氏研究の上で不可欠である。

 そのために平成元年度より千葉氏一族の精神的な支柱であった妙見信仰に関する県外調査を中心に進めてきた。

 千葉氏が妙見を崇拝する機縁は、始祖平良文が上野国染谷川(もしくは子飼川)で平将門とともに叔父国香と戦った際、同国七星山息災寺の羊妙見に危難を救われたという伝承である。

 しかし、この伝承が初めて文献に登場するのは鎌倉時代であり、あくまでも伝承の域をでない。また、妙見は仏教、神道、陰陽道等多くの領域に渡っており、調査を進めるにつれ疑問が増えていくばかりであった。

 千葉氏と妙見信仰については多くの先学の優れた業績があるが、今回の調査は妙見信仰を千葉氏との関わりや広く全国的な視点で考察し、捉えがたい妙見を明らかにすることを目的とした。

 また、県外調査と並行して千葉氏の妙見信仰に係る調査として『千葉妙見大縁起絵巻』の調査を実施した。この絵巻は千葉氏の守護神であった「千葉妙見」の由来を「絵」と「詞書」で述べたもので、千葉市の指定文化財に指定されている。

 さいごに、今回の調査に協力をいただいた関係者の方々や資料の所蔵の皆様にこの紙面をかりてお礼申し上げます。

 

千葉市立郷土博物館

館長 山田聡