『千葉妙見大縁起絵巻』(千葉市指定文化財、千葉市大宮町の栄福寺所蔵)は、関東の名族千葉氏の守護神であった「千葉妙見」の由来を「絵」と「詞書」で述べた縁起である。
内容は、妙見の本地や内証からはじまり上野国(群馬県)群馬郡花園村七星山息災寺の「羊妙見」が染谷川に示現する有様や良文とその後胤である千葉氏が「妙見」を千葉城内の妙見宮に遷座するまでの経過、その間に起こった妙見の霊験、さらに妙見が千葉城落城とともに城内妙見宮の別当寺であった北斗山金剛授寺尊光院(現、千葉神社)の座主の客殿に移された後、客殿の火災によって仮屋に安置されていた妙見を新たに建立された妙見堂に遷座するまでの記事で終わっている。
郷土博物館では平成二年度、この縁起の複製を製作するにあたり調査を実施したが、「絵」については別稿にて東京国立博物館美術課絵画室長松原茂先生に述べていただくので、この小稿は「詞書」の調査結果をもとにして制作年代やその方法を考察する。
なお、絵巻の調査及び錯款の訂正、「詞書」の翻刻監修等については、前述の松原先生にお願いした。