
世直(よなお)しの
願(ねが)いをこめた
千葉笑(ちばわら)い
岡本綺堂作「千葉笑い」という戯曲によると、千葉寺には昔から大晦日の夜に、
「違近の里人この寺に参詣し思い思いの仮面をつけて己が面を掩(おお)い誰を誰とも見分けぬ様にして、
上は領主より下は商人百姓に至るまで他の善からぬ事共を憚(はばか)りなく教え立てゝ
罵(ののし)り合い果は大声で笑い囃(はや)す。これぞ幾百年来の古き例で千葉笑いと伝えば…」とあります。
大晦日の夜近郷近在の人々が千葉寺に集まり平素から領主などの悪事に対し、
面白おかしくののしりあい、笑い囃(はや)す公認の行事でした。
これによって領主などは自分の行動を反省したとか。おもしろい世直しの行事といえましょう。