
万葉(まんよう)の世(よ)に
雄々(おお)しき防人(さきもり)
大田部足人(おおたべのたりひと)
奈良時代の農民には、律令(今日の法律)によって租(そ)・庸(よう)・調(ちょう)
などの税や、労役や都を守る衛士(えじ)、北九州の守りにつく防人(さきもり)
といった重い負担がありました。
『万葉集』という歌集には、当時のいろいろな人々の生活や感情が詠(よ)まれた歌が
四五〇〇余首もおさめられていますが、とくに防人の歌には、任務のつらさやきびしさを
赤裸々に表現したものが多く見られます。
この歌集で千葉市に関係する歌が二首ありますが大田部足人の防人の歌がよく知られています。
千葉の野(ぬ)の 児手柏(このてがしわ)の 含(ほほ)まれど
あやにかなしみ 置きてたち来ぬ