ヤ 薬壺を手に 病苦を除く お薬師さま

かるた絵札

薬壺(やくこ)を手(て)に

病苦(びょうく)を除(のぞ)く

お薬師(やくし)さま


 椎名郷は、平安時代末から鎌倉時代初め、千業常胤の弟の椎名五郎胤光が椎名崎の台地上に居城(千業大系図には、常胤の祖父の子椎名六郎胤光「居城干下総国千葉庄椎名郷」)していたようですが、源頼朝の挙兵に功があり12世紀末、子胤高のとき八日市場に移ったといわれています。それは富岡の薬師如来を造像するより少し以前のことになります。その後は千葉氏の有力者円城寺氏、原氏、粟飯原氏や、椎名氏の一族も分領していたようです。

 お薬師様は、かやの木の一木造で、高さ147.2cmの坐像です。大きな体躯で胸に卍を墨書し卍の周りに朱で火焔が描かれ、薬壷を左手に持ち、人々の無病息災延命長寿を誓願しているお姿です。鎌倉時代前期(13世紀前半)に造られ、千業県の有形文化財に指定されています。14世紀の建武5年(1338)の阿弥陀三尊種字の板碑(緑泥片岩の供養塔婆)などが長徳寺の裏山から発見されており、その後も椎名郷中で特別の霊域であったのでしょう。