島という名のついた地名は十ヵ所に及んでいる。
島とはかぎられた狭、又は締の意という。海沼池などの中心に現われている地、四面水にかこまれた土地のことである。小岩にはここに書かれていないか「六軒島」という小字がある。これも古くからある呼称のようである。
沼という名称も七カ所もある。
語義は沼、ぬめる(粘滑)であり、沼問の義で、水の溜っている処の称である。
割も五つもある。割り分つことで、開さくされた水路をさしている。
場は、には、ところで一定の場所をさしている。
池は土地がくぼんで水のたまっているところをさしている。
洲は土砂が高くもり上り河川とか湖、海にあらわれた土地をいうのであるが浮洲などの地名は土地の生成の当時をよく物語っている。
井は水の集る所の義で井戸などと用いられている。泉又は流水の飲用水をくみとる所というわけである。
堀は土地を長く堀割って水を通ずるもの
江は枝であり入江である。海や水が陸地に入りこんでいる所で、江頭はその入口にあたり江上は入江の奥所をさしている。
圦之庭の圦は堰の口である。戸をもって水をせきとめ塞ぐ水門のことをいう。庭は土間の略転で、家の前後の空地をさす。堰のまわりの広場をいうのである。
溝は割と同じく人工で地を細長くほって水を通じている所、どぶでもある。
津は船舶の碇泊するところで、全国にこの地名は多い。
舟つきをいう。
河原は川原の約、川沿いの平地、又は川のほとりの水涸れて沙や石のある所をさす。
汐入は潮の干満にっいて、池や沼、川などに海水のはいってくるところをさしている。江戸川の上流埼玉県には潮止の地名がある。