◆新川、古川について

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 昔船堀川、横川などと称していた河川があった。古川はもと利根川(江戸川)の河跡でもあったもので、これらの川を連結して運河を開いて江戸深川から小名木川を経て行徳へいたる水路を開いた。これが家康が江戸に入府してからさしあたって行徳の塩を運搬するために開いたのであってこの運河は行徳川とも呼ばれたのである。
 しかし幕政もととのい江戸の繁昌とともに次第にこの水路を利用する舟運がさかんになるにつれて、古川の水路は屈曲が多くて高瀬舟の航行に支障が多くなった。
 寛永六年のころこの支障をなくすために今の三角のところから新川口へ直線の水路をほって結んだので、この運河一たいを新川と称するようになった。