中川番所

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 中川と小名木川の交差する場所に置かれていた中川番所は、川船の通船を改める関所でした。関宿関所とならぶ重要な関所でしたが、関宿関所が陸路の歩行者までを改めたのに対し、中川番所は船のみを改めました。最初は深川万年橋の北に置かれ、深川船改番所とよんでいました。正保4年(1647)のことといわれています。江戸川や小名木川を通って江戸へ入る船が増加したことによるのでしょう。寛文元年(1661)に、中川口に移されました。
 たとえば江戸への廻米は、荷出地の国名、村名、代官名、納め主の名前などを厳重に改め、これが明らかでないものはここを通しませんでした。酒や塩、鮮魚、野菜はもちろん、さまざまな荷物についてもきびしい規定があり、生鮮食料品以外は原則として夜の通行を禁じていました。