江戸開府400年を迎えて、外輪船が江戸川にもどってきました。ありし日の通運丸を彷彿とさせるものではないもしれませんが、江戸川に客船が走っていたことをあらためて思い出させてくれるようです。山本鉱太郎さんは、『川蒸気通運丸物語』の最後を、つぎのように結んでいます。
「錦絵にも描かれてもてはやされた文明の利器も、こうしてついに鉄道やトラック輸送の前に悲しく破れ去ったのである。通運丸の通算年齢は約五十歳。その名は錦絵のあるかぎり永遠に語りつがれることだろう」
子どものころ
空飛ぶ船にあこがれた―
むかし江戸川を走っていた
外輪の蒸気船
今は想い出をのせて
時のかなたヘ―
けして、空は飛べないけれど