先祖まつり

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 日本の信仰は、なんらかの形で先祖まつりに関係しています。それは生活の中に深く入りこみ、年中行事にも影響を与えました。
 正月行事が、半年後の盆行事と対になった先祖まつりの行事であることは、今日では定説になっています。盆行事は、日本特有のまつりで、仏教が持ちこんだものではありませんが、盂蘭盆教が盆という言葉の起源となったように、しだいに仏教に溶けこんでいきました。先祖の霊を家に迎えて供養するもので、全国各地でいろいろな風習を残しています。
 江戸川区では、8月におこなうところが多いようです。盆棚(仏壇を利用することが多い)をつくり、アラヨネ(蓮の葉に、ウリとナスをさいの目にきざんでのせたもの)を供えました。墓には墓棚をつくり、やはりアラヨネを供しています。新盆のある家では、墓棚に小さなハシゴをかけたりもします。
 屋敷神も先祖まつりから始まったと考えられています。区内には、屋敷神をもつ家がたくさんあり、家の守護神としてまつられています。