木風呂

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   江戸川区指定無形文化財・工芸技術
   技術保持者      吉原誠一
 
 木風呂には、大きく分けて桶風呂と箱風呂の二つがあります。木の目を縱に使うのが桶風呂で、木の目を横に使い、釘を打つのが箱風呂です。箱風呂の方が手間も時間もかかるといいます。
 吉原誠一さんは1930年(昭和5)生まれ。祖父は材木屋を営み、父親が指物師であったことから、物心ついたときから木工に親しみ、1947年(昭和22)父親が深川三好町に木工所を開業したので、これを手伝うことになりました。風呂桶製作をはじめたのは1957年。翌1958年に現在地へ移り、三吉製作所の看板をあげました。父親と自分と弟の三人の吉原で仕事をはじめたので、三吉と名乗ったといいます。
 吉原さんは箱風呂を得意とし、注文に応じてさまざまな風呂桶を創作します。手作りで拵えることもできますが、それでは生活がなりたたなくなるという理由で、独自の機械化をはかりました。大量生産のための機械化ではなく、少しでもたくさん納得のいく製品を作ろうというもので、その機械の導入のひとつひとつに吉原さんの独創と経験がいかされています。そして、それを縦横に使いこなして、日本の木風呂の伝統を頑なに守っています。江戸川伝統工芸保存会会員。