大正14年に開通し昭和27年にトロリーバスに代わるまで活躍した東荒川~今井間を結ぶ城東電車26系統・江戸川線の軌道敷跡を歩きます。停留所は東荒川・中の庭・松江・一之江・瑞江・今井です。
今では裏道となっている軌道敷跡を荒川方面から東進すると、途中ランドマークの鉄塔や親水公園内のモニュメントを見ることができますが停留所の痕跡はほとんどなく、古い地図を頼りにこの辺が停留所だったらしいと想像して歩きました。
コース全体の地図を見る | 沿線案内(大正14年) 地図(昭和7年) | 写真のみで見る |
1.小野原稲荷神社 小野原稲荷神社は、都電江戸川線(26系統)の始点「東荒川」停留所跡の北側に位置するランドマーク的存在です。荒川放水路開削前は広々とした小野原耕地と呼ばれる田畑があり、五穀豊穣を祈り奉建されました。 | 地図 | |
2.現存する軌道跡 入口 都電江戸川線(26系統)の現存する軌道跡の入口です。東荒川の停留所からここまでの軌道跡は高速7号線の工事ですっかりなくなってしまっています。 | 地図 | |
3.「中の庭」停留所跡に向かう軌道 都電江戸川線(26系統)の「中の庭」停留場跡に向かう軌道が見られます。 | 地図 | |
4.「中の庭」停留所付近 都電江戸川線(26系統)の「中の庭」停留所跡付近です。このあたりは児童遊園になっており停車所がどちら側にあったのかはっきりしません。 | 地図 | |
5.中堰川跡 都電江戸川線(26系統)の「中の庭」~「松江」停留場に向かう軌道跡です。 | 地図 | |
6.松江三丁目付近の三角地帯 | 地図 | |
7.ランドマークの鉄塔 道路の先に見える鉄塔は城東電車が走っているころからこの位置に建っていました。現在では痕跡がほとんどなくなってしまった城東電車の数少ないランドマークになっています。城東電車の名残の鉄塔が見えます。 | 地図 | |
8.「一之江」停留所付近 中山法華経寺の末、金島山等覚院といい、本尊の日蓮上人木座蔵は「新編武蔵野国風土記」にも記述があります。寺の外側駐車場付近が「一之江」停留場跡付近です。都電江戸川線は二台が両方から出発して「一之江」停留場付近ですれ違っていました。 | 地図 | |
9.城東電車石碑 一之江境川親水公園内にある軌道のモニュメントと城東電車の石碑です。軌道の場所はおよそこの辺りだと思われますが、線路の向きは違っています。 | 地図 | |
10.トロリーバスの記念タイル 昭和27年 (1952) 5月20日東京都で最初のトロリーバス(無軌条電車)が上野~今井間で開通しました。これにより都電江戸川線(26系統)は廃止されました。しかし速度低下と輸送効率の悪化により昭和43年 (1968) トロリーバスも廃止されました。 | 地図 | |
11.日蓮宗長勝寺 利栄山善学院といって中山法華経寺の末で同じ日蓮宗である「妙覚寺」と「感応寺」の中間にあることから「中寺」と呼ばれています。正面右側が「一之江」停留場跡の付近でした。 | 地図 | |
12.宗教法人国柱会 「国柱会」は田中智学が創立した純正日蓮主義を奉ずる在家仏教の模範教団で、創立者の田中智学は10歳の時妙覚寺に入って剃髪得度し智学の法名を受けました。 | 地図 | |
13.現在通れなくなった軌道跡 昭和47年 (1972) に開通した環状7号線の工事で軌道跡が遮られてしまいました。現在では通れなくなっています。 | 地図 | |
14.反対側から確認 | 地図 | |
15.一之江駅 一之江駅を通り過ぎたあたりが「瑞江」停留所跡です。環状7号線や新中川の工事で道路の様子は大きくかわっています。 | 地図 | |
16.都バス車庫 バス停 現在今井にある都バスの車庫が都電江戸川線の終点「今井」停留場跡付近です。 | 地図 | |
17.現在の今井橋を臨む(旧今井橋跡) 今井橋は昭和26年 (1951) に開通しました。昭和54年 (1979) に新橋が開通していますが、瑞江大橋に直通する形で位置が川下側にずれています。 | 地図 |
【 江戸川区立図書館/デジタルアーカイブで見る 】
・「交通機関の変遷 大正期」について → 『江戸川区史 産業編(第3巻)』
・「都電」について → 『江戸川区史 産業編(第3巻)』
・「区内歴史散歩 瑞江」について → 『江戸川区史 区内歴史散歩(第3巻)』
【 江戸川区立図書館/資料所蔵状況 】
・「城東電車」について
→ 『都電系統案内』(ネコ・パブリッシング)
→ 『日本の路面電車 2』(JTB)
→ 『懐かしの都電41路線を歩く』(有楽出版社)