平成3年(1991)からの断続的な調査で、礎石建物跡や大型の掘立柱建物跡などが集中して見つかっています。礎石建物は石積みの基壇(きだん)を持ち、掘立柱建物には地面から直に板壁を巡らせたものもありました。また、庭園の池と見られる遺構も見つかっています。
遺物は、鳥の姿が刻まれた鬼瓦(おにがわら)などを含む大量の瓦のほか、金属器を模倣した須恵器、墨書土器、硯、唐三彩(とうさんさい)、緑釉陶器などが出土しています。これら貴重な遺構や遺物が発見されたことから、この遺跡は「府中市指定史跡」になっています。
また、遺跡のすぐ西側には、広島県史跡に指定されている「伝吉田寺跡」があります。飛鳥時代に創建されて、平安時代まで営まれた「法起寺(ほっきでら)式」の伽藍と推定される寺院跡です。
金龍寺東遺跡の板壁建物跡〔9902T〕
鬼瓦
鬼瓦〔鳥が刻まれている〕