こぼれ話  お墓の移り変わり

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 弥生時代(やよいじだい)には、村人のほとんどは集団墓地に葬られていましたが、やがて首長(しゅちょう)やその家族などの限られた人が、特別に区画・土盛りされた墓に葬られるようになりました。
 古墳時代には、首長など限られた人のみが大型の古墳を築造しますが、古墳時代も終わり頃になると、小規模な古墳が全国的に増えていきます。これらの古墳にはムラの有力者が葬られており、古墳をつくれる階層が広まっていることを示しています。
 奈良時代(ならじだい)以降には、墓の発見例が減っていきますが、身分関係を厳格に維持する律令国家(りつりょうこっか)の成立によって、葬られる人の階層が再び限られるようになったと考えられます。また、発見される墓も家族の墓ではなく、個人の墓が中心で火葬が行われている例もあります。
 中世(ちゅうせい)は、一部の人の墓しか残っていませんが、江戸時代(えどじだい)の後半になると、墓石を持った墓がつくられはじめます。
 そして、現在のようにみんなが墓に葬られる時代へとつながっていきます。

[お墓の移り変わり]