こぼれ話  剣先(けんざき)水車

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 出口川と芦田川が合流する所の中州「剣先」は、水車小屋が造られ、水車を利用した加工産業が盛んで、府中の一大工業地であったといいます。具体的には、酒米の精米、絞油、刻み煙草の製造などが行われていました。水車がいつ造られたのかははっきりしませんが、一説には寛永16年(1639)頃の芦田川改修の時ではないかと言われています。
 大正時代には、水車の規模が大きくなり、その大水車が府中の名物ともなっていたようです。
 また、昭和10年頃までは末広橋の下辺りに貸しボートがあって、夏には凉を求める人で賑わっていました。
 昭和20年の枕崎台風で流れた後も、一部修復して数年稼働しましたが、電力に取って替わられ、昭和32年の芦田川改修で中州そのものが姿を消しました。

芦田川から剣先周辺を望む(昭和初期頃)