弥生廿三日

   〈要約〉
 ○空が晴れてうれしい。未の頃から十町ほどの距離にある松原に行く。松露をたくさん掘り、つくしを摘む。夕方主のいとこの君が訪れ、とし子の弟君と絵を描き、唐歌を作る。画に添えて歌を書いてほしいと二人に頼んだ。様々の話で夜が更けた。
   〈註〉
松露 ゆがんだ球形のキノコで、径1~5cm。表面は初めは白いが、しだいに黄褐色から赤褐色に変わる。内部は白から黄褐色または暗褐色で、迷路状に分枝した小室が散在する。やや粘質ををおびた肉質で胞子は長楕円形。春と秋に海辺砂地のマツ林地上に広く分布する。特有の香りがあり、歯切れも良く、古くから食用とされてきた。 ―『世界有用植物辞典』1989年 平凡社―