弥生廿五日

   〈要約〉
 ○昨日集まった人々は今日午後帰宅。滞在していたとし子の伯父の懇願で、夕方嶋野の伯父の家に向う。風雨が強くなってきた中、「田畑の数知らずうち続きたる細道」を行く。伯父は以前より歌を詠んでいる人で、数々の歌を取り出して見せた。
   〈註〉
嶋野村 今富村の北西に位置する。元禄郷帳での村高四二二石余は幕末まで変わらない。寛政五年(1793)では西大平藩領と旗本酒井領。代々名主を勤めた鴇田氏は国学者であった。