五月六日

   〈要約〉
 ○天気が良い。今日ばかりは少し風邪の気分を忘れて(出発し)、行徳の宿に出たが、昔傍らで使っていた女にふと出会った。再びこのような機会はなさそうなので、立寄りなさいと言うので、つれなく通り過ぎてしまうことも出来ず(立寄る)。漸く未過ぎる頃舟を用意させ、小網町に到着し、暮れかかる頃帰り着いた。その時急に吹き出した風にひどく驚かされたのは、夢だったのか現だったのか。