海老川

 海老川は船橋市内では数少ない川と呼べる川である。その水源は滝不動の滝と池だといわれるが、その他に倶梨迦羅不動(くりからふどう)の滝等、支流の水源もいくつかある。
 海老川の名は下流の名称であり、上流の川名は近年整備されたものである。
 かつて現在の市中央の台地が原野で、山林も多かった時代には海老川は水量豊かで、川口近くでは五大力船が方向転換できたという話がある。
 歴史的に見ると海老川は海運業者の河岸から、漁業者の船置場へと役目を変えて来た。江戸時代中期から明治中期までは、海老川橋下流の東岸には海運業者の建物が建ち並び、川には輸送船が往来していた。その後海運業者は減少し、やがて小さな漁船の繋留場となったのである。
 海老川の地名の由来には「源頼朝が当地を通行した時、土地の者が川で獲れたエビを献上したところたいへん喜び、この川を海老川と名づけた。」という伝説がある。もちろんこれは〝話〟であって、本当の語源は確定できない。
 地名学的に考えられるのは、①エビが多く生息している川、②エビのような形に曲がって流れる場所のある川、③堰・樋等のある川の意である「いび川」が転化した、等である。
 
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