子は清水は、父子で暮らしている貧しい家なのに、父親が毎日酒に酔って帰って来るのを不思議に思った子が、ある日跡をつけて行くと父親はコンコンと湧く泉の水を飲んでいる。どうもその泉は酒が湧いているようなのだ。そこで息子が父親が帰って行ってから飲んでみると、ただの冷たい水である。つまり、その水は父親が飲むと美酒で、子が飲むと水の「子は清水」だという話なのである。
船橋市では字名にはないが、北習志野駅東方の習志野台三丁目三番北端の所に「子は清水」の泉があった。
子は清水の「こわ」は、古和釜の項で述べたように①程度の激しい、②丸く突き出た地形、③崖や崩壊地形、が語義であろう。実地には②と③に当てはまる例が多いといわれる。この泉は緩斜面の湧水であったようだが、②③いずれの地形の清水かは不詳である。
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