″旬″の味覚

 煮炊き用の道具として、土器を発明した縄文人は、四季折々に得られる海の幸、山の幸を、素材に応じた調理をし、あますところなく活用していました(左図参照)。木の実や山菜のアク抜きや、フグの調理法さえ心得ていたようです。
 

縄文人の生活カレンダー

 
 春は、若菜摘みの季節です。また、海の水がぬるみ始めると、遠浅の海で貝採りに精を出しました。
 初夏には、カツオなどが黒潮に乗って北上し、海に面した市域では、漁が盛んに行われたことでしょう。魚介は干物などに加工もされました。
 秋は、ドングリなど木の実集めの季節です。これらは、冬に備え地面に穴を掘って蓄えられました。
 冬は、野山をかけめぐる動物たちに最も脂ののるころ。狩りは、主にこの季節に行われました。縄文人は、シカとイノシシを最も多く食べていますが、発見される骨にはメスや子どもが極端に少なく、限りある資源を大切にしていたことがわかります。