食糧の採取から生産へ

 弥生時代最大の特色は、米作りの普及です。米食を基礎とする食文化は、弥生時代の人々によって築かれ、現在まで引き継がれたものです。稲作は、渡来人により紀元前300年ごろ、北九州へ伝えられ、その後、西日本から東日本へと広がってゆきました。
 米作りは、春の田作りから秋のとり入れまで、季節ごとに計画的に作業を進めなければなりません。また、台風や日照りなど、厳しい自然も待ち受けています。しかし、自然の恵みだけに頼る暮らしには、おのずと限界があり、獲物がとれなければ、飢えるしかありません。その点、米は長期間保存がきくので、育てるのに時間はかかっても、生活は安定します。
 これは、縄文時代が数千年にわたる歳月をかけてゆるやかに変化したのに比べると、非常に急激な変化でした。