石器から鉄器の時代へ

 縄文時代が終わるころ、中国大陸や朝鮮半島から、鉄器と青銅器が相前後してもたらされ、日本は、青銅器時代を経ずに、新石器時代から一足飛びに鉄器の時代を迎えます。実用性の高い鉄器は、木製の農具などを作る工具として、また、剣や矛をはじめとする武器などに使われ、威力を発揮しました。時代が下がると、鋤や鍬の刃先にも用いられ、米の生産向上にも大きな役割を果たしました。
 一方、青銅(銅に錫を加えた合金)は、鉄に比べると硬度が小さく実用向きではありませんが、美しい色を持ち、また、細工もしやすいため、専ら祭りの道具や装身具に使われました。
 市内でも、当時の金属器がわずかながら出土しています。銅鏃(矢じり)と鉄製品数点で、ともに夏見大塚遺跡で発見されました。
 

夏見大塚遺跡の銅鏃と鉄製品