余剰米が生んだ社会の変化

 米作りが始まり、金属器が使われるようになって、生産が安定し、余剰の米が生じると、社会の仕組みにも大きな変化が起こりました。
 余剰米をたくさん蓄えた者は、それだけ豊かになり、力をつけていきます。富んで力をつけた者は、ムラびとたちを統率するようになり、長が生まれ、長は、人々を掌握するためにマツリゴト(政治)を行いました。ムラ長は、豊作を願って神に祈りをささげ、土地や水を分配し、収穫物の一部は、神への捧げ物としてムラ長のもとに集められます。こうして、富める人と貧しい人、治める人と治められる人の関係が生まれました。
 こうした関係は、ムラ(集団)の中ばかりでなく、ムラとムラの間にも生じました。土地や水をめぐって、時にはムラ同士が戦を起こし、強いムラは弱いムラを従えて、次第に強大になり、さらに小さなクニヘと発展したのです。