江戸時代、歴代の将軍が催した鷹狩りや鹿狩りは、ただ単に将軍の娯楽だったわけではなく、人々の生活とも密接なかかわりを持っていました。特に鷹狩り関係の地域は鷹場と呼ばれ、様々な制度によって住民の日常生活を規制していました。
江戸時代の鷹狩りは、将軍や大名の特権でした。特に江戸周辺の鷹狩りは将軍家が独占し、ほかには将軍が許可した将車一族と、有力大名しか行うことができませんでした。江戸からはほぼ5里以内の地は御拳場と称して、将軍自らが鷹狩りを行う場所で、その一部に御借場という将軍家一族に許可された場所も含まれていました。御拳場の外側には、御捉飼場と称して、幕府の役人である鷹匠が鷹の訓練をする場所がありました。つまり鷹場というのは御拳場、御捉飼場、御借場の総称なのです。