明治21年4月に市制町村制が公布されました。これには市町村とは「法律上個人と均く権利を有し、義務を負担し、凡市(町村)の公共事務は官の監督を受けて、自ら之を処置するものとす」とあり、市町村が法人で、しかも自治体であることをうたっています。また町村制の規定には、町村長は町村会が選挙し、任期4年、町村会は町村の公民(25歳以上の男子で2円以上の納税者)が選挙し、任期6年とあります。翌年成立した新町村は、右表のとおりです。
郡区町村編制法~町村制時代の行政区画の変還
神尾武則「船橋市域における行政区画の変還(表)」による
※明治22年4月の《 》内は役場の位置
以上のように明治前半の地方制度は、目まぐるしく変化して複雑です。しかし、そこには規模の小さな旧町村を排して、資力のある有力町村をつくるという政府の意図が常に働いています。それがひいては行政効率の向上、中央集権制の強化につながるからです。