実地丈量の推進

 しかし、翌明治8年になると政府が地租改正促進に積極策をうち出したこともあり、千葉県も次々と通達を出して機構を整え、実地丈量の態勢を示しました。各大区には総代人、町村には地租改正取り調べに付事務掛を置くことを定め、さらに正副戸長の約4割を地租改正事務に専念させることを決定したのです。
 このように実地丈量の着手を急ぐ県は、10月に30条からなる「地租改正ニ付実地調査心得書」を作成し、各町村に示しました。これには実地丈量の具体的な順序と方法、実地丈量の際の諸注意、器械・道具の使用上の注意等が緇かく示されています。
 実際の丈量は村の大小によって2組または3組に分かれ、1組およそ9人で行いました。1人は丈量図引方、5人は十字縄張り、2人は梵天持ち、1人は地引野帳方(記録係)でした。また、千葉県で行われた測量は十字測量法(前ページの図参照)といわれ、一つの土地をそれに最も近い矩形(長方形)に改めて面積を求める方法で、比較的簡単でしたが、誤差も大きいものでした。
 

十字測量法

 
 こうした県の促進策によって、実地丈量は9年夏ごろまでに大半の村で完了しました。