[発刊のことば]

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[近影]

函館市長 矢 野  康
 このたび待望の『函館市史』通説編第一巻を発刊できましたことは喜びにたえないところであります。
 当市におきましては、昭和四十一年、函館市史編さん審議会が発足し、同四十五年には市史編さん事務局を設置いたしまして、大正十一年八月一日市制施行以来満五十年を迎えた昭和四十七年、これが記念事業の一環として函館市史の編さんが開始されたのであります。これによりまして同四十九年に史料編第一巻、翌五十年史料編第二巻、同五十三年には別巻亀田市編と、これまでに三巻の刊行を見ているところであります。
 これに続きまして、このたび通説編第一巻発刊の運びとなりましたが、本書は先史時代から近世末までの諸般の事象を、三編に分けて編さんいたしておりまして、今後は更に通説編を三巻、別巻その他を逐次刊行することといたしております。
 津軽海峡をへだてて、本州と北海道を結ぶ南の玄関口として、また、南(みなみ)海道の中枢拠点都市として、「大いなる明日」に向かって更に飛躍を期しております本市の正しい歴史が、本書によって、あらためて親しみをもって迎え入れられ、理解を深めるよすがとなることを念願するものであります。
 終わりになりましたが、本書の発刊につきまして、これまでにご指導、ご協力を賜わりました各位に対しまして、深く感謝の意を表する次第であります。
    昭和五十五年三月