上磯

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 上磯町は函館湾に臨む位置にあり、東西24.4キロメートル、南北24.1キロメートル、総面積263.1平方メートルの広さであり、函館市・大野町・木古内町に接し、背後の山地では厚沢部町に接している。古くは漁業集落として発達したが、明治に入って当町谷好にセメント工場が設立され、その後大正に入り浅野セメントに吸収合併され、第2次大戦後日本セメント上磯工場と名称が変更され、今日に及んでいる。従って上磯は「セメントの町」として知られ、永い間この単一大工場の好、不況がこの町の経済を左右してきたといえる。第2次大戦後は七重浜地区に石油精製工場の立地をみて、にわかに工場適地として注目されたが、その後大工場の進出はない。町内には石別・茂辺地・上磯の3地区に漁家をかかえ、更に背後地には農用地をかかえていることから、人口の伸びはこれら第1次産業人口の減少が原因となり、昭和30年から45年までは停滞の傾向にあったが、近年函館に隣接する一部の地区で宅地化が進行し、昭和46年から微増に転じ、昭和50年からは人口が急増し、昭和53年3月には29,158人となった。