大野

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 大野町はその中心部まで函館市から鉄道距離にして約18キロメートルの位置にあり、町の中央を函館から江差に至る国道227号線が貫通している。当町の北部は森町、北西部は中山峠を境として厚沢部町、南西部は上磯町、東部は七飯町にそれぞれ接し、東西27キロメートル、南北11キロメートル、総面積137.65平方キロメートルの広さである。当町には享保10(1725)年ころすでに小さな農業集落があったが、本格的な開拓が行われたのは文化元(1804)年以降のことである。大野川・久根別川等の水利に恵まれていたため、早くから水田が造られ、本道の開拓が北に向って進んだ明治末期までは本道最大の穀倉地帯といわれた。その後も大沼の水を引いた国営かんがい排水事業の進行に伴って開田が進み、昭和47年には水田面積は1,863ヘクタールとなった。当町農業は水田のほかに近郊農業的性格をもち、ビニールハウス等による蔬(そ)菜の栽培も盛んである。純農村であるだけに、人口減少が続いているが、さほど大きな減少は示していない。新幹線の新駅・高速道路のインターチェンジの候補地として当町が有力であるとの見方が多く、もしもこうした施設ができると、当町が近郊農村としての性格を維持できるかどうか極めて疑問である。

周辺町の人口の推移(上磯・七飯・大野各町の町勢要覧による)