段丘地形

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 函館付近に段丘地形がよく発達していることは古くから知られているが、これらはその成因によって海岸段丘と河岸段丘に分けられる。
 海岸段丘はいうまでもなく、過去の海面に関して波食作用を受けて平坦化した面を主体としており、その上に堆積物を比較的厚く乗せる場合、ほとんど乗せない場合、比較的薄く乗せる場合とがある。このような段丘面は数段見出されることが多く、洪(こう)積世氷河時代における間氷期に形成されたものと考えられている。そして高位の段丘ほど古く、かつ開析(せき)が進んでおり、低位の段丘ほど新しく、かつ開析が遅れている。かつてはこのような段丘の形成は土地の間欠的隆起によるものと考えられ、次いで海盆の拡大と間氷期における海面の上昇のためと考えられ、最近では地殻(かく)が一定の速度で上昇している間に行われた海面変化の結果であるといわれるようになった。
 河岸段丘は川の両岸あるいは片側に、川の浸食が復活したために旧河床が刻まれて階段状に残った地形で、海岸段丘と同様、高い段丘ほど古く、かつ開析が進んでいる。

第2図 函館付近平坦面分布図