年平均気温

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 次に、函館の年平均気温の100年間の変動を図に示すと下表の通りとなる。
 年平均の気温は、100年間の平均をとると、8.5度で、標準偏差(ばらつき)は0.7度であるが、暖かい年と寒い年との差がかなり明瞭にあらわれていて、図でもわかるように、気温の高い年、低い年がある期間続いてあらわれる傾向にあり、これを大きく4つの期間にわけ、明治5(1872)年から明治10(1877)年までの5年間を第1期、明冶11(1878)年から大正2(1913)年までの36年間を第2期、大正3(1914)年から昭和15(1940)年までの27年間を第3期、昭和16(1941)年から昭和47年までの32年間を第4期にわけて観察することができる。この期別は、観測地点の異動とほぼ一致しており、それを無視してはいるが、絶対値に変りはない。
 第1期の明治初年は暖かい年が多く、なかでも明治7年、9年、10年は目立って暖かく、年平均気温が10度以上もあって、これは最近30年の東北地方中部の気温に相当している。
 第3期は2回目の高温期間で、この期間の平均をとると8.9度となっている。
 第2期および第4期は、これとは反対に低温期間で、この期間の平均は、それぞれ8.3度、8.2度とほとんど同程度の値を示している。
 この100年間のうち、最も高かったのは明治10年の10.4度、最も低かったのは明治20年の6.8度で、これを最近の各地の気温に相当させてみると、それぞれ東北地方の宮古、および道南部の苫小牧の年間平均気温にあたる。

明治5年から昭和47年まで100年間の年平均気温の変化