大正9年10月1日第1回国勢調査が行われた。当時までに北海道において都市的景観をもち、人口・戸数もそれに相応した都市は、函館を含めて小樽・札幌・旭川・室蘭・釧路のわずか6都市に過ぎなかった。中でも函館の人口・戸数が最も多く、第2位の小樽に比べてみても、戸数で7,880戸、人口で47,697人と多く、他都市の追随を許さなかった。
第1回国勢調査による職業構成をみると、商業が26.8%、工業が23.2%、交通業16.1%、水産業10.8%、公務・自由業6.8%、農業2.3%、その他14.5%となっている。明治14年の職業構成と分類の仕方が異なるので正確な比較はできないが、同じ分類がなされている商業、工業、水産業についてみると、商業、水産業の全就業者に対する比率は変わっていないが、工業の構成比が11.3%から23.2%と約2倍に増えている点が注目される。
第1回国勢調査実績(大正9年)
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