粘土をある形に仕上げて焼き、装身具にしたものに土玉、耳栓(せん)、耳飾り、三角形土製品などがある。土玉は円形の1ないし2センチメートルの大きさのもので、球状と円盤状のものがあり、紐通しの穴がある。耳栓はつづみ形をした中空のものとそうでないものがあり、耳たぶに穴をあけて挿入して着装するため、栓状耳飾りとも呼ぶ。このような耳飾りは現在も未開民族の間に使用されているが、土製品に限らず骨角製品もある。更に、土製耳飾りには滑車状耳飾り、環状耳飾り、透かし彫り耳飾りと形態による呼び名の違いがあり、種類も多くなる。函館近郊では縄文後期の遺跡で発見されるが、北檜山町豊岡遺跡では10数個が発掘された。普通大きなものは径6センチメートルもあるが、多くは4、5センチメートルで、滑車状になっているのは耳たぶに挿入して落ちにくいように工夫したものである。三角形土製品の中にはペンダントのようにハート形で上部の中央に穴をあけ、刺突による点列文を付けたものや、三脚状に先端が細くなっているものなどがあるが、横断面形は中央部が高く、裏面がくぼんでいる。三角形土製品については、一種のボタンと考える人もいるが、吊穴のないものは紐で結んで胸飾りとしたとも考えられる。