函館郵便役所の開所

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 駅逓寮は、先の布告にある通り7月1日の開設に向けて、6月22日には開拓使から海関所の一隅を借り受けて開設準備を進めた。開拓使も25日にその旨を布達、大間東京間の所要時間も示した。
 
     東京函館郵便往復日割
  毎月二、五、八ノ日第七字函館出発(盛岡仙台通 東京往復時間昼夜一時三里行)
         但東京ヨリ陸羽道中福島迄日々往復、夫ヨリ本文日割ヲ以函館ヘ向発
              陸奥国大間ヨリ東京日本橋迄陸路二百八里九丁余
  毎月三、六、九ノ日第七字函館出発(青森最上通 東京往復時間同前)
         但前同断
              陸奥国大間ヨリ東京日本橋迄陸路二百四十里半十丁余
     函館大間ノ間海上時間不定候事                (田中家文書「諸用留」)
 
 函館はまず東京と郵便で結ばれることとなり、郵便往復の初日は7月2日であった。大間から東京迄の所要時間が3~4日で、9日ほどかかっていた嶋屋の飛脚便からは大幅に短縮されており、往復回数も月18回と、先の布告で「其地ノ模様ニ寄、毎日或ハ隔日、或ハ毎月五六度宛往復」とあるところからみても重要路線として位置付けられていたことがわかる。9月には郵便逓送のために函館青森間に汽船の運行を開始し、次いで5年10月3日からは函館以北の郵便往復も開設(表2-17)され、北海道内の郵便網は広がった。
 
表2-17 函館以北東西郵便往復日割表
往復地
出発日
月間回数
函館-札幌三、入ノ日
6回
札幌-函館一、六ノ日
6回
札幌-小樽五、十ノ日
6回
函館-久遠三ノ日
3回
久遠-函館久遠到着後三日目
3回
『開拓使事業報告布令類聚』より作成