[2 樺太出漁の状況]

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 日本漁民の出漁をロシアがどうみていたかを物語るコルサコフ領事久世原の談話がある。「本邦漁夫の大和船に乗じ、サガレン島沿岸に漁業を試みし頃は、露国人の一顧にも価せざりしといえども、大和船は合の子船となり合の子船は帆走船となり汽船となり、次第に大仕掛の漁況におもむくに至りては露人もまた等閑視去あたわず」(明治32年4月19日「樽新」)。