したがって、明治20年代とは、函館教育協会自体の歴史の上では発展期であるにもかかわらず、その全道的比重は徐々に低下してゆくという極めて微妙な時期でもあった。しかし、最も重要なこの時期に関する函館教育協会自身の史料はほとんどなく、いわば空白の時代となっている(前掲『沿革誌』)。
が、そうしたなかでも同会は、明治25年より夏期講習会を開催し、あるいは児童成績品、教育参考品を展示する教育奨励会の実施や函館区の委嘱による書籍館の経営に取り組んでいる(同上書)。
明治20年代の函館教育協会